平成5年の冷害による平成の米騒動依頼31年ぶりの高騰である。
しかし、今回の米騒動は前回の冷害によるコメ不足とも違う。
平成5年の稲刈りは11月に入ってから行った記憶がある。
このときは、秋に全国の収穫量が減少して、国は緊急輸入を行い、消費者は輸入米を食べた思い出がある。
結局、翌年秋の時点で前年度産米が余ったとの記憶がある。
今回の米騒動の主な原因
年度途中での品薄
インバウンド需要
5年産米の高温障害による収穫高減少、精米歩留の低下
農業政策
農林中金問題
米流通販売の変化
3年前、全国のコメ倉庫が満タン状態。
コロナによる外食産業の需要が激減して国内在庫米が過剰に
令和6年、ようやく在庫も消化できて
今年は新米が出たらすぐ使えそうだ(大手卸)
ところが、インバウンド需要も高まり夏場あたりから不足気味に
業務用は切らせないから、小売り店が先に品不足
コメが無くなる・・・余計に買っておこう
地震が起きそうだ、コメと水を買って置こう
スーパー、小売店からコメが消えた。
新米が出た
スーパーに早々に大量納品・・・
みんなが待っていると思ったら、以外に売れない?!
農家はそんな高値は望んでいない
多くの農家は、これまでコメ価格の乱高下を経験している。
安定して再生産できる農家価格であれば文句は無い
JA含め、コメの流通業界は農家の生産価格などお構いなし
今年は、
一般の品種
地方のJAの仮払い金は1万6千円程度/60kg程度
他の業者は、買い取り2万程度/60kgが相場
最初の店頭精米価格は700円/kg
玄米換算価格は、3万7千円
ボロ儲け
その儲けが農家に行き渡ればよいのだが・・・
地元のスーパーの精米価格は日毎、落ちてきている。
精米歩留
玄米を精米すれば米糠と選別機で弾かれた被害米が取り除かれ
良質の玄米60kgを精米にすれば良くて54kg
ところが5年産米は歩留まりが非常に悪かった
52kgしか出ないなんて事も
大量に扱うほど歩留まりは死活問題。
精米 破砕
平年でも精米すると破砕米は多少出てしまう。
破砕米(コメが割れる)
5年産米はこれが多かった
これがご飯に混ざるとベタつく。
コメの価格は政府のさじ加減
現在、「主食米」と「主食米以外の米」
に分かれる
1.主食米
2.主食米以外の米
飼料米、加工米、政府備蓄米
農家が飼料米を主食米に切り替えたら
政府備蓄米を放出したら
大暴落
国は転作は廃止したと言うものの
実際は、今だに生産調整は続いている
国は、各県に押し付けて生産調整は続いている
各県が自主的に各市町村に生産面積を配分する。
以前は転作面積(率を)配分したが
現在は、逆に生産面積を配分するようになった。
配分面積は各市町村で違う。
多くの行政は 配分方法は公開していない
参考に、
ウチの町の生産調整 配分率は45%
つまり、1ha=10,000平方メートルの水田を耕作している農家がいた場合。
55a=5,500平方メートルの水田に主食用米を栽培することができる。
残り45aの水田には主食用米以外のコメの栽培(政府備蓄米・飼料米・加工用米)を行う。
もしくは、他の作物の栽培を行う行政指導である。
但し、現在は強制ではない。
参加しない農家もいる
ちなみに山形県は生産調整に参加しないと、ブランド米の栽培ができない。
つまり、つや姫や雪若丸の栽培が認められない。
また、農業補助金の優先順位が下がる。
実質的に農業補助金はもらえない。
これは、水稲農家だけの問題で、果物、野菜農家には関係がない。
これが現実だ。
今回の米騒動は、
このまま進めば生産者が減少して、コメの卸業界もコメを集めることができなくなる。
大手の卸でさえコメは儲からない。
多くの農協は営農部門が赤字である。
農協の収益を上げる必要がある。
農林中金問題で、これから全国の農協に増資を求める。
そのような複数の問題を一気に解決するチャンスが訪れた
品不足
不足すれば値上げ出来る
しかし、今回の米高騰はやりすぎ
2024年度の高騰で
2025年から生産調整に参加しない。
飼料米の生産を止めて主食米に切り替える。
このような農家が多くなっただけで暴落する可能性が高くなるのです。
ここで、政府備蓄米を多量に市場に出せば暴落する可能性もあります。
だから、買い戻す事も出来る「米バンク」が有効かもしれません。