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このページは米高騰に関する記事です。
コメの生産調整は今も続いています。
「水田転作」は廃止され
米の「生産調整」は継続されています。
コメが生産調整されて消費者価格が倍の価格へ
馬鹿げた話・・・
これまで、米の生産者価格が10,000円/60㎏(税込)を下回る事もあった(死活問題)
ところが、2024年産米は最終的に農家手取り21,000円/60㎏(税込)程度になる見込み。
(JAと農家は委託販売契約にて概算金プラス追加支払い、最終清算が行われる)
玄米農家手取り価格
350円/㎏
精米一般価格 4000円/5㎏
800円/㎏
精米コスト
※玄米を精米にすると米糠等が取り除かれるので10%程度目減りする。
玄米の流通/保管コスト
精米工場製品製造コスト
精米の流通コスト
小売り店のコスト
再度上げどまり
実際、この時期の流通量は数少ない
24年産米は年内にほとんどコメ生産者からJA/業者等に買い取られ倉庫に保管している状況だ。
(一部のカントリーでは籾保管が行われている。)
備蓄米の放出量を最初から100万トン放出する
とかやれば効果はすぐ出るだろうけど
結局20万トン程度では足りないし
大手集荷業者だけに放出しても効果は期待できないと言う事だと思います。
全国各JAの総会で農林中金への増資が決定するまではこのままだと思います。
いま、JA出荷米には追加加算が行われています。
そもそもJAは以前から営農が赤字
金融・共済・その他事業で賄ってきた経緯があり
農林中金の収益は不可欠となっている構造があります。
万博に合わせてインバウンドが増える
輸入米が増える
コメ価格高騰で需要が減る
飼料米、加工用米の生産を主食米に切り替える
生産調整に参加しない農家が増える
最終的に在庫がダブついて、2025年産米が下落する。
いくら下落するかは天候次第
JAは最初から生産者玄米価格21,000円/60㎏程度を見込んでいる。
その場合、消費者価格は大きく下がる事も無い。
さて、どうなる?
米の価格、販売動向、民間在庫の状況を掲載しました。
※農水省最新情報
新着情報|山形たかはたタウン情報サイト
農業情報
用途別コメ生産量
米の高騰について、政府は有るはずの21万トンのゆくえを調べる。
21万トン=350万俵(1俵:60㎏)
2020年度農業センサスで、国内で販売目的の水稲生産経営体は71万経営体(農家・法人)である。
1経営体が2俵を余計に自己保管したら142万俵になる。
業界関係者は、政府が調べている在庫と民間の在庫が食い違うと言っている。
コメ価格を高騰させて儲けようとしているのは卸業者だけじゃない。
政府は生産者・小売店も含め一度在庫を調べようとしているようだ。
今、業界取引価格は馬鹿げた価格であるが、この政府報道で上げ止まりとなってこれから下がる見込みなのだが。
この高騰を多くの生産者も望んではいないハズだ。
コメの流通業界は依然として生産者を無視した業界である。
最大の集荷団体である系統JAがこれまで価格調整を行ってこなかった罪は重い。
政府備蓄米は年間約20万トン程度を政府が入札で買い上げて備蓄しているが、
これは、主食以外の生産調整枠内で栽培された米である。
当然、大量に放出したら暴落を招くので今回のような貸出は非常に効果的と思える。
政府は、米への市場介入は控えるべき。
と、私も以前に申し上げた時が有ったが
やはり政府介入が必要であると改めて考え直した。
平成5年の冷害による平成の米騒動依頼31年ぶりの高騰である。
しかし、今回の米騒動は前回の冷害によるコメ不足とも違う。
平成5年の稲刈りは11月に入ってから行った記憶がある。
このときは、秋に全国の収穫量が減少して、国は緊急輸入を行い、消費者は輸入米を食べた思い出がある。
結局、翌年秋の時点で前年度産米が余ったとの記憶がある。
今回の米騒動の主な原因
農業政策
年度途中での品薄
インバウンド需要
5年産米の高温障害による収穫高減少、精米歩留の低下
農林中金問題
米流通販売の変化
令和4年
全国のコメ倉庫が満タン状態。
コロナによる外食産業の需要が激減して国内在庫米が過剰になった。
令和5年
稲作において過去に事例が無い高温障害が発生
高温障害による品質低下。
破砕米が多く精米歩留まりが非常に悪い。
令和6年
昨年のような極端な高温障害は見られず
品質もそこそこ、ようやく在庫も消化できて
今年は新米が出たらすぐ使えそうだ(業界)
ところが、インバウンド需要の影響もあるが
夏場あたりから供給不足
業務用は切らせないから小売り店が先に品不足
コメが無くなる・・・余計に買っておこう
地震が起きそうだ、コメと水を買って置こう
スーパー、小売店からコメが消えた。
新米が出た
スーパーに早々に大量納品・・・
みんなが待っていると思ったら、以外に売れない?!
農家もそんな高値は望んでいない
これまで何回もコメ価格の乱高下を経験している。
安定して再生産できる農家価格であれば文句は無い
でも、JA含め、コメの流通業界は農家の生産価格などお構いなし
今年は、
一般の品種
地方のJAの仮払い金は1万6千円程度/60kg程度
他の業者は、買い取り2万程度/60kgが相場
最初の店頭精米価格は700円/kg
玄米換算価格は、3万7千円
ボロ儲け
その儲けが農家に行き渡ればよいのだが・・・
地元のスーパーの精米価格は日毎、落ちてきている。
精米歩留
玄米を精米すれば米糠と選別機で弾かれた被害米が取り除かれ
良質の玄米60kgを精米にすれば良くて54kg程度
ところが5年産米は歩留まりが非常に悪かった
52kgしか出ないなんて事も
大量に扱うほど歩留まりは死活問題。
精米 破砕
平年でも精米すると破砕米は多少出てしまう。
破砕米(コメが割れる)
5年産米はこれが多かった
これがご飯に混ざるとベタつく。
現在、「主食米」と「主食米以外の米」に分かれる
1.主食米
2.主食米以外の米
飼料米、加工米、政府備蓄米
農家が飼料米を主食米に切り替えたら
政府備蓄米を放出したら
大暴落
しかし、
国は「水田転作」は廃止したと言うものの
実際は、今だに「米の生産調整」は続いている
国は、各県に押し付けて米の生産調整を継続している
各県が各市町村に生産面積を配分する。
以前は転作面積(率を)配分したが
現在は、逆に生産面積を配分するようになった。
配分面積は各市町村で違う。
多くの行政は 配分方法は公開していない
参考に、
ウチの町の生産調整 配分率は45%
つまり、1ha=10,000平方メートルの水田を耕作している農家がいた場合。
55a=5,500平方メートルの水田に主食用米を栽培することができる。
残り45aの水田には主食用米以外のコメの栽培(政府備蓄米・飼料米・加工用米)を行う。
もしくは、他の作物の栽培を行う行政指導である。